映画「沈黙」を観に行きました。
私は10年ほど前に
遠藤周作氏の小説「沈黙」を読みました。
描写がリアルで、頭の中にありありと
むごい情景が浮かんでしまう。
正直、途中で読みたくなくなる瞬間もありました。
でも、長崎の人間として、この本を読むことは
使命なのではないか?という気持ちで、
最後まで読み切った覚えがあります。
読了後も、当たり前ですが
まったくスッキリしない内容。
いつまでも、私の心にぴったり、いやべっとりと
こびりついて離れない残像。
この映画を観た感想ですが、
ここまで忠実に小説の世界観を再現しているなんてすごい。
ということでした。
キャストは日本人がほとんどということもあり
日本の映画のような気さえします。
マーティン・スコセッシ監督に敬意を感じました。 (マーティン・スコセッシ監督がそれだけ遠藤周作さんに敬意を
感じているということですよね。)
キリスト教を断教させるために、行き過ぎた拷問を繰り返す幕府(長崎奉行)。
おそらく。ですが。
今の日本があるのは、少なからずそういう歴史があったからというのは
あるのかもしれない。。。
しかし、、狂気の沙汰です。明らかに行き過ぎた拷問です。
今の「いじめ」とか世界で起こっている「紛争」に通ずる問題だと
皆さん言われていますが、私もそう思いました。
「あなたのことを愛し、信じている人たちが、ここまで苦しんでいるのに
どうしてあなたは沈黙しつづけるのですか?」
というロドリゴのセリフが何度も出てきます。
あなたとは「神」のことです。
「私は沈黙していたのではない、一緒に苦しんでいたのだ。」
終盤でこのセリフが出てきます。
ロドリゴは死ぬ間際まで、実は信仰を捨てていませんでした。
弱い人間代表のような「キチジロー」でさえも。
本当に考えれば考えるほど、答えが見つからない。
小説を読んだ時と同じ気持ちです。
答えはないんですよね。何にも。
ただ、今の時代に生まれてこれたことを
感謝せずにはいられませんでした。
今を大切に生きて行こうと思いました。